McLaren Technology Centre lit up at night.

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世界的に高名なイギリス人建築家ノーマン・フォスター卿が設計を手掛けたマクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)は、マクラーレンを建築という手段で見事に表現した傑作です。ドラマチックでありながら、控えめ。美しいだけでなく、技術的にも最先端。すべてのディテールが、至極のマシンを生み出すための完璧な環境を作るという目的のために存在しています。MTCには、マクラーレンの妥協を許さない姿勢が見事に反映されています。

McLaren Technology Centre lit up at night.
「建築とエンジニアリングの調和」

「建築界の巨匠ノーマン・フォスター卿の建築設計事務所と一切の妥協を許さないコンストラクターがタッグを組み、常に独自の空間を生み出す建築作品が作られました。それがマクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)です。2004年の完成以来、マクラーレンの本社として機能しているMTCは、単に素晴らしい建物であるだけではありません。MTCは、両社の社風を支える完璧主義を見事に示しています。」


 A high-angle view of the assembly line at the McLaren Production Centre. Several bright blue McLaren sports cars are lined up, with the closest one having its butterfly doors open.
マクラーレンに息が吹き込まれる場所

「マクラーレンのマシンを作るプロセスは、想像を絶する労力が求められる複雑なプロセスです。その過酷さにも関わらず、マクラーレン・プロダクション・センター(MPC)内には殺伐とした雰囲気は一切なく、すべてが管理されています。この真っ白な200m x 100mの建物には、マクラーレンの製造ラインが収容されており、製造ラインは建物の端から端まで続いています。MPCでは毎日22台のマシンが生まれます。最新技術を活用し、すべてがマクラーレンの優秀なチームによって細心の注意を払って手作業で組み立てられます。」

McLaren Technology Centre blueprint.
問題の本質を見直す

完全無欠―それは時に問題を別の角度から見ることができた場合にのみ実現できることがあります。MTCの設計段階で、100×300mという建物の床面積に合わせるのは、厳選したタイルをカットする必要があることに気付きました。言うまでもなく、これは一般的に行われている対応策です。ところが、この対応はマクラーレンにとっては十分ではありませんでした。タイルの均整美を保つため、チームはタイルをカットするのではなく建物自体の大きさを変更したのです。300×99mの変更後の床面積に、タイルはすっぽりと収まりました。こうして問題が解決されたのです。

McLaren Technology Centre wind tunnel.
空気を誘導するボディ

風洞設備。マクラーレンのマシンはすべて、この設備で得られる貴重な情報、すなわちマシンのボディへの空気の当たり方を徹底的に追求する研究から得られる情報をもとに作られます。そして、すべての曲線、凹凸部、平面が慎重に磨き上げられます。エアロダイナミクス性能を向上する。ただそれだけを目的にダウンフォースを向上し、グリップと安定性を強化し、ドラッグを軽減して速やかな加速を実現するための改良が行われます。簡単に言えば、マクラーレンのすべてのマシンのシルエットそのものが、ノーズからテールまで、そのエアロダイナミクス性能を如実に物語っています。

Close up of Bruce McLaren sat in a race car, wearing a helmet and driving gloves.
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創業者から継承されている精神